FC2ブログ
企業間の紛争でも皆無とは言いませんが、とりわけ個人の依頼者が、個人や企業を相手に交渉したり、訴えたりする「一般民事事件」の場合に、依頼者が「相手方が100パーセント悪い」(落ち度がある)といって駆け込んでくるケースが往々にしてありますが、そういうケースはまれです。

悪徳商法の詐欺被害者でも、常識では考えられない旨い話に乗っかってしまったという落ち度があります。また、肝心な代金支払いの機会に、適切な契約書を作らなかったり、相手方の用意した契約書をロクに読まないで署名・捺印をしてしまったというケースもあります。 企業と違って、法律の無知に起因する場合もありますが、大概は無防備かつ無思慮に相手方を信用してしまったというような、「わきの甘さ」に起因する場合が多いようです。

そして、残念ながら、依頼者が自分の弁護士(私のこと)を完全に信用してくれていないのか、それとも、自分の落ち度を告白するのは気が引けるのか、自分の落ち度を正直にすべて打ち明けてくれずに、「相手方が100パーセント悪い」と言い張る依頼者が少なからずいます。

こういうことをされると、交渉や裁判のクライマックスで、自分の依頼者の悪いことや落ち度を相手方弁護士に指摘されて回復不可能な形勢不利に陥ってしまいます。私の経験でも、会社を解雇された依頼者の地位確認訴訟と未払賃金請求訴訟を受任していたときに、相手方企業から、当方の依頼者の会社のお金の使い込み、すなわち、業務上横領罪を暴露されて、訴訟の行方が窮地に陥ったことがあります(私は「必勝の弁護士」ではありませんが「不敗の弁護士」であろうとしているので、横領金は弁償し、未払賃金といくばくかの解雇手当を獲得する和解に持ち込みましたが)。

すなわち、一般民事の「紛争」とは、どちらかが一方的に悪いのではなく、両者に落ち度や悪いところがあるからこそ、「紛争」としてこじれるのです。

関連記事
スポンサーサイト



Secret

TrackBackURL
→http://saiunlaw.blog40.fc2.com/tb.php/296-64eb0c83